« 一枚の皿 | Main | 【記事執筆】ミステリマガジン 洋書案内 »

2012.11.24

ふるさと

 昨日まで北海道に帰省していた。行きのフライトは窓側の席。羽田を発つ前夜遅くまで仕事に追われていたので、読書もそこそこにうたた寝していた。

 ふと何かを感じて目覚め、窓の外を見る。さっきまで雲に視界を遮られていた眼下の海が一瞬、紺青の姿を見せた。そして海岸沿いの陸地も。目を離せなくなった。上空から見ると広い埋め立て地のような地面。ところどころに建物はあるものの、土がむき出しだ。しかし、内陸は集落が寄り添うようにみっしりと続いている。

 言葉で言い表せない想いを心のなかでつぶやいた。

 しばらくすると下北半島が見えてきたから、あの海岸は岩手北部だったのだろうか。やがて北海道の上空になり、故郷の旭川が近づくにつれて涙が止まらなくなった。多くの命が奪われた痕跡に。日常を奪われた人々の苦悩と再び立ちあがろうとしている希望に。そして、わが故郷が雪に覆われつつも、確かに変わらずそこにあることに。

 顔も知らない人々が少しでも穏やかに日々の暮らしを営み、今日も一歩を踏みだすことを願って。


人気ブログランキングへ

|

« 一枚の皿 | Main | 【記事執筆】ミステリマガジン 洋書案内 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« 一枚の皿 | Main | 【記事執筆】ミステリマガジン 洋書案内 »