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2009.07.23

犬の本『フェイス――二本足で生きる犬』

 
 
 

 生まれつき前足のない犬の話――海外のネット書店でこの本の原書を見つけたとき、わたしには読めない本だと思いました。犬の本を読むとき、どこかで凛と重ね合わせてしまう。そして、ほんとうは考えたくないけれど、愛犬の病気も別れも、心のどこかでいつか来るものと思っています。だけど、生まれつき障害を持っている愛犬の姿は想像できない。犬といえば、走る、食べる、寝る……だけで一日の大半が過ぎていきます。その犬から走ることを奪うなんて、年老いたわけでもないのに走れない姿を思い浮かべるなんて無理だと思ったのです。

 でも、しばらくして邦訳が出ると知り、あらためて動画サイトでこの犬、フェイスを見つけたとき、わたしの考えは変わりました。なんとフェイスは後ろ足だけで走っています。それも、実に嬉しそうに! かわいそうとか、悲惨とか、そんな言葉はまったく似あいません。この動画を見れば、フェイスが全米のさまざまなメディアに取りあげられ、多くの人を魅了した理由がわかると思います。 
 
 
 



 
 
 
 Faith(信念)と名づけられたこの子は、並はずれたヴァイタリティで周囲の人を引きつけ、癒し、励まします。後ろ足だけの二足歩行、いや、歩行というよりカンガルーのように跳んでいるようにも見えます。ふふふ、なんて楽しそうなんだろう!

 障害を持ち、生まれてすぐに死にかけたフェイス。すんでのところで助けられ、著者一家に引き取られなければ、フェイスが全米の人気者になることもありませんでした。前足がないからと障害犬として地味な生活を送らせるのではなく、後ろ足だけで立つことを教えた飼い主のポジティヴ・シンキングにも勇気づけられました。

 日本では犬を飼うと決めたとき、ペットショップで好きな犬種を選ぶ人が多いでしょう。それを全面的に否定するわけではありませんが、犬も生きものである以上、障害を持って生まれてくることもあるはず。ただ、見た目でわからなければ、そのままペットショップのウインドーに連れてこられるかもしれません。でも、明らかな障害を持っているときは?
 まちがいなくペットショップには来ないでしょう。となると、そんな犬はフェイスのように優しい家族に出会う幸運を期待できるのでしょうか。

 日本のペット産業の裏側についても、ちょっぴり考えてしまう一冊でした。
 
 
 
 
 
 
 
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Comments

やまぶどうさん、おはようございます。
ほんとうに犬の一生は飼い主しだいですね。
『日本犬――血統を守るたたかい』(吉田悦子著、小学館文庫)を読んだとき、各犬種の展覧会はあくまでも血統のスタンダードを維持し、伝えていくための機会と捉えたいと思いました。
だから、展覧会での受賞はひとつの結果であって、受賞できなくても、凛の場合は甲斐犬であることにかわりはない、と。
まあ、わが家の場合、どのみち出陳の予定はありませんが。
今後犬の交配をすることがあっても、受賞歴より相手の犬の気性や健康状態、犬どうしの相性、飼い主さんがわが家の考えかたを受け入れてくれるかどうかが基準になりそうです。

Posted by: 片山 | 2009.07.24 at 10:55

お早うございます。
以前、後ろ足のないワンちゃんを見ました。飼い主さんが、移動出来るように台車を作って、それの乗せていました。萌のように、自由に走り回ることは出来ませんが、その飼い主さんと出会えたことはこの犬にとって幸せなことだったと思います。
ペットショップに行くと、系統繁殖で現れる一部奇形を持った犬は見かけません。考えたくはありませんが、飼い主と出会えることなく、処分されてしまったのか・・。展覧会に出展できる(受賞の可能性のある)犬だけが、正当な甲斐犬のような表現をしているHPも見かけます。関係する団体は、もう一度本当の意味の保護と言うことを考えるべきではないかと思います(所属団体の役員さんに聞かれたら、怒られるかもしれませんが・・)。生まれて来た甲斐犬が、みんな優しい飼い主さんと出会えると良いですね。

Posted by: やまぶどう | 2009.07.24 at 08:18

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