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2008.08.26

犬の本:Dog Heroes of September 11th: A Tribute to America's Search and Rescue Dogs

 このところ凛のことしか書いていなかったので、たまには犬関連の本の紹介など。

 タイトルが示すとおり、9.11の現場で探索や救助にあたった犬たちについて書いてあります。甲斐犬のなかには救助犬として活躍している犬もいるので、わたしは以前からこうした仕事をしている犬たちに興味がありました。で、ぐうぜんネット書店で見つけたのがこの本です。きょう現在、Amazon.comでは33の読者コメントがつき、星5つ評価になっています。

 ドッグ・ジャーナリストの著者があの悲惨な現場に出動した300チームほどの探索・救助犬チームについて調べ、そのうち65チームの犬とハンドラーにインタビューしました。テロ当日のようすや探索・救助犬たちの現状について短くまとめたほかは、一冊のほとんどを65チームの写真付きで、それぞれの目で見た、肌で感じた9.11を伝えています。

 ワールド・トレード・センター(WTC)とペンタゴン、そしてWTCの残骸が流れていった対岸の埋め立て地。テロという巨大な暴力がもたらした高温と危険なガス、鋭利な金属やコンクリートに覆われた瓦礫の山に全感覚を向ける彼ら。非常時に働くのが使命とはいえ、あまりに過酷な現場に命を落とした犬たちもいました。人間と同じように、戦争トラウマとでもいったらいいのでしょうか、PTSD状態になった犬たちもいました。

 あの日からもうすぐ丸7年。チームのほとんどはレトリーバーやシェパードなど大型犬だったようですから、すでに探索・救助の一線を退いたり、天に召された犬たちも多いことでしょう。人間より低い目線の彼らが体験した9.11の惨状は地面に近いぶんだけ凄まじく、65通りの体験を綴っても筆舌つくしがたいものでした。

 使役犬に興味のあるかたにはぜひ読んでいただきたいのですが、残念ながら邦訳は見あたらず。

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