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2005.05.19

恩師のメール

 昨日、久しぶりに大学時代の恩師でアメリカ人のS先生からメールをいただきました。英文学の授業はもちろん、卒論指導、当時わたしが所属していたESSの英語指導(顧問でもないのに!)など、大学のどの先生よりもたっぷりとお世話になった方です。休み時間に研究室を訪ねると、よくトワイニングのオレンジペコ・ティーやサンキストのキャンディをいただきました。わたしが大学を卒業してから10数年。映画《目撃者》のチラシはまだ研究室の壁に貼ってあるでしょうか。

 先生や奥様の近況、わたしの訳書の原作を読んでくださったこと、大学の教授陣にわたしが翻訳をしていると知らせてくださったこと――あいかわらずユーモアたっぷりのメールを読んでいるうちに、当時過ごした濃密な、かけがえのない時間が蘇ってきました。サークルやコンパ、バイト、友だちづきあいだけで終わってしまいがちな学生生活ですが(じっさいわたしもたくさん遊びましたが)、わたしが英文学への興味を保っていられたのはS先生のおかげでもあります。先生はさりげなく学生の好奇心を刺激する名人でした。

 大学3年生になりたてのころ、わたしはESS活動の多忙などで短期間に何キロも体重が減ったことがありました。その直後、自由なテーマで英文エッセイを書く宿題が出たとき、ほかに書くことがないので忙しかった1か月の副産物(体重減)について書きました。

 すると、英作文の担当教官だったS先生はほんとうに心配してくださいました。わたしが提出した拙いエッセイの末尾には、先生からの長い長いコメントが。ESSで忙しそうなのは知っていたが、それほどとは思わなかった、体に気をつけてください……云々。そんなふうに書いてくださったことを先生は覚えていらっしゃらないでしょうけれど。そういえば、あのときエッセイの出来はコメントしてくださらなかったですね、S先生。評価するのを忘れるほど心配してくださったのかな、と思っています。

 S先生、あのころ、学生の前ではちっとも日本語をしゃべらないのに、学生たちのおばかな話にくっくっと忍び笑いをしていらっしゃいましたよね。先生はぜったいに日本語を理解している、先生の前ではめったなことはいえないと、わたしたちはよく話していたものです。今もあのころと同じように学生たちのとんちんかんな会話に笑いをこらえていらっしゃいますか。

 S先生からのメールを読みながら、大学時代に出会った人々のお顔が次々と浮かんできました。めったにお会いできなくても、こうしてどこかでつながっている関係、共有する記憶がある関係ってすてき。卒業後10数年もたった今になって、自分はすばらしい4年間を過ごしたのだとしみじみと思いました。

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