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2004.12.26

クリスマスの夜

 3年ぶりの札響の第九@Kitara大ホール。わが家はメイド・イン北海道のものはなんでも贔屓にする傾向がありますが、実をいうとこの3年間、札響の第九にはあまり食指が動きませんでした。それ以前にサントリー・ホールで聴いていた在京オーケストラに比べると、なんだか物足りない気がしたからです。Kitaraは海外のオケが絶賛するほどのすばらしいホール。ですから、3年前に感じた物足りなさは演奏のせいなのか、楽団の規模のせいなのか、合唱のせいなのか。素人のわたしにはよくわかりません。

 わたしは例年、第九を聴いたあと数日は「ぱぱーん、ぱぱーん、ぱぱぱ……」と導入部のメロディを口ずさむ癖があります。前回の札響の第九を聴いたあと、今年はその「癖」が出ていない、と家族に指摘されました。年末に第九のコンサートに行くようになってから10年くらいになりますが、はじめてのことでした。

 そして、昨夜の第九。演奏が始まった時点では、前回とほぼ同じ印象で終わりそうな予感がしました。また「ぱぱーん」の癖は出ないだろうなと思いながら、第三楽章を聴き終えました。

 ところが第四楽章に入り、バリトンのロバート・ハニーサッカーの声が聞こえてきた途端、わたしは自分の顔がほころんでいくのを感じました。いままで何度も聴いた第四楽章のバリトンで、あれほど伸びる、迫力のある声を味わったのは初めてです。その瞬間、つい先ほどまで物足りなかったオーケストラの演奏が早変わりしました。第三楽章までにはなかった熱気。まさにバリトンの歌声で火がついたかのようです。

 けっきょく、「久しぶりに行ってみようか」と気まぐれでチケットを買った札響の第九に大満足しました。帰宅後、わが家のクリスマス恒例のチーズ・フォンデュを食べながら、久しぶりに「癖」が出ました。ただし、今年の「癖」は「ぱぱーん」ではなく、第四楽章の歓喜の歌のフレーズです。ドイツ語はまったくわからないので、「オー・フロイデ」のあとはもごもごとごまかさなければならないのがちょっと悲しいですが。

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