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2004.10.15

この季節、気になることといえば

 ぼちぼち年末のミステリ・ベストに投票する本をまとめ読みする時期です。日頃コンスタントに読んでいれば、何も夏休みの宿題のごとく駆け込みをする必要はないのですが、翻訳なんていう仕事をしていると、本を読んでいるようで意外に読めていなかったりします。仕事を始める前は年間200冊くらいは読んでいたものの、今は100冊くらいかな。ミステリばかり読んでいるわけではないので、毎年今頃になると、「ああっ、あの話題作も未読だった!」と妙に焦り、投票までの時間をにらみながら、読む本の優先順位をつけています。投票する以上は、少なくても自分の好みの話題作は読破しておかねば、と思いますし。

 そんなこんなで、今週駆け込みで読んだのはサラ・ウォーターズの『荊の城』(上)(下)。昨年、各ミステリ・ベストで上位にランクインした前作『半身』の妖しい気配が気に入り、次作もぜったいに読もうと思っていました。『荊の城』も前作とは違った妖しさを持つ作品です。読者を裏切る展開も前作に負けず劣らず。「うーん、そうきたか」とつぶやきながら読みました。

 もうひとつはリチャード・ノース・パタースンの『ダーク・レディ』(上)(下)。パタースンといえば法廷ものという公式は、この作品にはあてはまりません。女性検事補が主役だというのに、お得意の法廷シーンが出てこない。舞台となる米国中西部の架空の都市で、球場建設と市長選を巡って事件が起こるポリティカル・サスペンス。家族や仕事、かつての恋人の死……さまざまな問題を抱えた主人公がどうやって巨大な力と対峙し、道を切り開いていくか。法廷シーンがなくてもこんなに読ませるパタースン。さすが、の一言です。

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