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2004.07.24

カルガモ

 近所のスーパーマーケットのなかにある小さい書店で、30代後半とおぼしき男性がレジに並んでいました。そのうしろにつこうとすると、わらわらわらとちっちゃい頭がどこからともなくわたしの目の前に現れました。1、2、3……4人。よく見ると、みんな顔が似てます。

 お父さん、たいへんですねぇ。4人の子育てはきついでしょう。会計中の本も子どもたちの漫画や絵本ばかりですね。あ、《るるぶ》も買ったんですね。そうか、夏休みにお出かけするのね。いいねぇ、きみたち。どこへ行くのかな? そうそう、年長者はいちばんチビの面倒をみてあげないといけないよ。チビはお姉ちゃん、お兄ちゃんのいうことをよくきいてね。お父さんやお母さんを困らせちゃだめですよ。

 ずいぶん前に「子どもは3人つくるといい。社会ができる」といわれたことがあります。そのときは「ふうん」ときいていただけでしたが、その後、「なるほどね、あれは名言だったな」と思うようになりました。

 わたし自身、3人きょうだいです。子どものときはめそめそ泣いてばかりだった弟も、口が達者で生意気だった妹も、いまとなってはよき仲間、頼れるきょうだい。子ども時代の「社会」は、わたしたちの成長とともに変質して、いいぐあいに緩やかな「社会」をつくっています。子どものときはいやでたまらなかった長女の身分も、長男である弟が大人になるにつれて一方的に少しずつ責任を押しつけ(なんて姉だ)、そのぶん気楽になれました。

 残念ながら、わたしは次世代の「社会」をつくれなかったけれど、書店のカルガモ親子のような家族を見かけると、胸にちくりと感じる羨みとともに、心からエールを送りたくなります。お父さん、この子たちが夢を持てるような社会にするために、わたしたちに何ができるでしょうねぇ。

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